一般企業で増加している雇用者からの訴訟事件 医療機関も決して例外ではありません。

テレビなどで大々的に取り上げられる医療事故のニュース。

人命が関わるだけにその影響は大きい上に、事故が表ざたになることで医療機関そのものの評価・評判が大きく下がってしまうことはご存じの通りです。

2014年に発覚した群馬大学病院における腹腔鏡手術を受けた患者様8名が死亡した事件。
2015年に発生した東京女子医科大学病院での幼児への麻酔薬プロポフォール投与による死亡事件。

最近発生したこれらの事件は、遺族だけでなくマスコミを通じた社会全体からも批判を受け、
病院自体も特定機能病院の「承認取り消し相当」とされるなど、大きな影響を与える結果となりました。

これらの事件でクローズアップされるのが、医療機関と担当した医師の責任問題です。

近年医療事故裁判の半数が医療機関・医師を相手取ったものとなっていることから、ここでは医療機関ではなく、医師・看護師の側に立った訴訟リスクを考えてみたいと思います。
貴院に勤務する医師・看護師の皆様に知って頂き、貴院とスタッフが安心して行為に当たれる参考として頂ければ幸いです。

勤務医だからこそ  医師としてのリスクマネジメントが必要です。

医療事故の備えとして代表的な物に「日本医師会医師賠償責任保険」があります。
日本医師会の会員である開業医・勤務医・研修医が加入することができるもので、開業医は自動的に加入します。
医療行為に伴う障害・死亡の際に1億円を限度に支払われるものです。

医療機関向けには「病院賠償責任保険」があります。
(契約している保険会社により契約条件・特約などが異なっております。 これを機に、もう一度貴院がご加入している保険内容のご確認を行って頂ければと思います)

病院が加入しているなら、勤務医の自分がミスをしたときは病院の保険で損害賠償は支払われるのではないか?

現在40代以降の勤務医の約半数が「医師賠償責任保険」に加入していないと言われています。
これまで訴訟につながるミスをしたことがない、保険のことを知らない、いつか入ろうと思って、今まで来てしまった…理由は様々だと思います。

ここで、先ほどの医療事故裁判で勤務している医師も共同被告となっている状況を考えてみましょう。

病院と一緒に損害賠償の支払い、あるいは病院から賠償額のいくらかを請求されるケースです。

医療事故による損害賠償の額は年々増加しており、その全てを勤務している医療機関が負担できるとは言い難い状況となっております。

ましてや、医療事故が起きた医療機関にその後もコンスタントに患者様がいらっしゃるでしょうか?

病院の経営が思わしくなくなり、支払いできないとなったら今度は共同被告である勤務医個人に請求がくることになります。

それも勤務医を共同被告とする理由の一つです。

起きるかもしれない医療事故、もしそうなった際のために「医師賠償責任保険」に加入しておくことは医師としてのリスクマネジメント、そして患者様のための責任ではないでしょうか?

医師だけでなく、看護師も。全ての医療業務従事者のためのリスクマネジメントを

医療現場で起こる医療ミスは医師だけが起こすものとは限りません。

看護師による採血の手技ミスも程度は低くても事故であり、それがきっかけとなって訴訟となることもありえるケースです。
夜勤時の受け持ちの患者様が容態の急変により死亡した場合なども、当事者として責任を問われるかもしれません。

医師よりも患者様と接する機会が多いだけに、事故の可能性、裁判で被告となる可能性はあります。

もしものとき、多額の損害賠償の支払い責任が生じたときのために、看護師にも医師と同様に「看護職賠償責任保険」があります。

安心して日々の業務にあたることができるよう、自分自身に起こりうる医療事故のための備えについて考えてみませんか?

その発言はアウト? あなたの何気ない一言がセクハラで多額の損害賠償に。

私たち一般社団法人メディカルリスクコンサルティングは、医療従事者向けのセミナーを行うことで、医療機関で働くスタッフの意識を高め、業務改善を通じたリスクマネジメントをご提案しております。

医療事故による訴訟リスクについても、弁護士から実際の判例などを通じて従事者に関心を持って頂くカリキュラムを実施しております。

事故発生、裁判、損害賠償や慰謝料…
「自分が当事者となったことを考えると、気が引き締まる思いになる」という感想を頂きます。

本当に当事者になったとき、あなたには備えはあるか?
対策を取っているか?

もう一度自己の訴訟リスクについて考えてみてはいかがでしょうか?

ページTOPへ